畑の始め方を解説。まずは土作りから始めよう!

畑の知識庫

畑を始めて最初にすること、それは土作りです。

野菜を育てるための準備ですね。

土作りと一言で言っても内容は多岐に渡り、調べてみるといろいろやることがあって面倒だなと感じた人もいるのではないでしょうか。

本記事では土作りの必要な手順をまとめ、ひとつずつ順番にこなしていくように説明をしています。

初心者の方にも取り組みやすいと思いますのでぜひ参考にしてみてください。

土作りの手順

雑草や小石など不要物の除去

まずは畑に雑草が生えているのなら取り除きましょう。

種を植えた際にそばで雑草が生えてあると養分や水分が取られてしまうためです。

軍手などをして手で抜くのが基本ですが、固くて抜けないときはスコップを使い土ごと掘り返します。

小石なども野菜が成長する際妨げになるので気づいたら取り除いていきます。

前季に野菜を育てた土地なら枯れた茎や根、使われたビニール片などが土中に残っている場合があるので、これらも除去の対象です。

土をほぐす

石灰と肥料を土にまいてかき混ぜやすくするために土をほぐします。

スコップを2〜30cm入れて、土を起こす。この作業をひたすら繰り返していきます。

全体をスコップで掘り返した後、固まっているところをクワでさらに細かくしていきます。

小さな耕運機を使うのもありです。ウチも母が使っています。お値段も1万円台と手頃で、使いやすく、作業負担も格段に減って便利です。

こちらで詳細に解説しているので参考にしてみてください。

関連記事 【労力が10分の1に!?】畑を耕すにはミニ耕運機がおすすめ。Mrupoo 充電式ミニ耕運機を紹介。

石灰をまく

土が細かくなったら石灰をまきます。

日本は雨の影響によって土が酸性に傾きがちです。酸性に傾いた土から野菜が育ちやすい土へとpH数値(酸性、アルカリ度)を近づけさせるため石灰をまきます。

土のpH数値を測るための道具もあります。

石灰の種類によっては肥料と混ぜることができない、または石灰をまいた後1,2週間は空けるなど用法に違いがあるので注意が必要です。

ちなみに私はすぐに肥料をまける有機石灰を使用しています。

主な石灰の種類と特徴

・生石灰、消石灰

アルカリ分がとても強い。目に入ると危険など取り扱いには注意が必要。家庭菜園ではおすすめしない。

・苦土石灰

マグネシウムを含んでおり、いくぶんマイルドに土壌酸性を改善してくれる。家庭菜園で使われることも多い。まいた後1週間は種まきできない。肥料と同時にまけない。

・有機石灰

苦土石灰よりも、さらに土壌酸性の改善がゆるやか。そのため種まきの直前でも使用可能。肥料と同時にまいても良い。家庭菜園でおすすめ。

肥料をまく

土に栄養素を与えるため、肥料をまきます。

野菜に必要な栄養成分を土に蓄え、作物が育っていくための手助けになります。

堆肥を混ぜる

基本的に野菜に栄養を与える目的の肥料とは違い、堆肥は土壌改良を目的としています。

堆肥を入れることによって土の中の微生物が増え、土がフカフカになります。

土がフカフカになると水はけがよくなり、植物にとって水や肥料を吸収しやすくなるのです。

さらに微生物が活発になることで、病害菌の働きを抑制する効果も期待できます。

主な堆肥の種類と特徴

堆肥は主に動物性と植物性とにわけられます。

・動物性堆肥

土をフカフカにする働きに加えて、野菜の必要な栄養素も含まれているため、肥料の効果も上乗せできる。ものによっては肥料目的で使う場合もあり。

・植物性堆肥

肥料成分はあまりなく、本来の目的である土をフカフカにする効果がメイン。

肥料効果も期待したいのなら動物性堆肥、土壌改良をメインに据えるならば植物性堆肥を選択する、など自分の方針によって選択しましょう。

畝を作る

畝を作る主な理由は

・水はけがよくなる

・明確な作業スペースの確保により、作業がしやすい

・根が伸びる空間が確保しやすくなる、根が張りやすくなる

などが挙げられます。

やり方としては、畝を四角で囲うようにクワで掘っていきます。

掘った土を中央部分に乗せていくと、必然的に土の高いところ(うね)と土の低いところ(うねの周囲)にわけられます。

土の低いところは農作業をする際の足の踏み場であり、通路です。

上記の通り土の高低差は水はけが良い環境も構築しています。

畝を完成させたら、あとは種や苗を植えるのを待つだけです。

*畝作りの詳細は以下で解説しています。

関連記事 畝作りのコツを伝授!画像付きで丁寧に解説

よい土とは

  • 水もちがよい(保水性がよい)
  • 水はけがよい
  • 通気性がよい
  • 保肥力がある
  • 酸度が適切である

さらに理想の土の状態として、団粒構造(だんりゅうこうぞう)を目指すことが推奨されています。

団粒構造とは、土がサラサラしすぎず、固すぎず、ふかふかしているような状態のこと。

YouTubeの畑動画などでよく見かけます。

なぜ団粒構造が理想かというと、水はけ、水持ちがよく、肥料持ちがよいなど、よい土の条件を満たしているからです。

なのでこれを目指すことが推奨されています。

完璧を目指さなくてもいい

理想の土はあくまで目標であって、かならずしもこの状態にしなくてはと気負う必要はないと思います。

私の畑は土地柄なのか、土が固いです。昨年初めての畑作業で勝手が分からず、土をふかふかにする手入れをまったくしませんでした。

それでも立派なだいこんが収穫できました。こんなに固い土なのに、真っ直ぐ大きく成長することに感動したのを覚えています。

最初からすべてをうまく運ぼうとすると途中で挫折したり面倒になったりします。

ほどよい所で見切りをつけ、とりあえずやってみることを優先しました。

それでも植物本来の力強さに助けられ、成長や収穫の喜びを感じています。

もちろん失敗もありました。それはそれで経験として次に活かしていく過程も楽しいものです。

こういうゆるい感じでできるのが貸し農園、家庭菜園の魅力だと思います。

おわりに

土作りは大変奥深いものです。

長く畑に携わっている人ほど、その人独自の土作りのエッセンスが盛り込まれていたりします。

今回ご紹介したのは、いわゆる基本の型のようなものです。

まずはこれを軸にして、ご自身で実践を重ねる中、気づいたこと、疑問に思ったことをアップデートしていくとよいでしょう。

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